ウィスタリア

第二章 第八話「私が守るわ」

 飢えをしのぐことができたゼイツは、牢の中で微睡んでいた。ウルナが去ってからは殺風景な地下牢を訪れる者はなく、ひたすら静寂が染み渡っている。夢現の状態で、彼は何度も幼い日に帰った。優しかった母の面影、父の横顔へと手を伸ばしては、指先に触れる床の冷たさに目を覚ます。
 そんなことを繰り返してどれくらい経っただろうか? ゼイツを微睡みから叩き起こしたのは、悲鳴にも近い声だった。急いた靴音に続いて聞こえたのは、彼の名を呼ぶ声で。思考と夢の間を彷徨っていた彼は、弾かれたように現実へと戻る。
「ウル、ナ?」
 この声はウルナのものだ。そう認識した途端、乱れた足音が牢へと近づくのがわかった。明かりと共にやってきたそれは扉の前で止まり、ついで鍵をいじる金属音がする。石壁から背中を離して、彼は眼を見開いた。焦っているのか、しばらくは鍵が触れ合う音だけが響く。
「ゼイツ!」
 開け放たれた扉の向こうでは、ウルナが今にも泣き出しそうな顔で立っていた。よほど慌てていたのか、肩にかけられた大きな布がずり落ちそうになっている。彼女は荒い息を必死に整えようとしているが、それも時間がかかりそうだった。ゼイツは痛む足を無視して、壁に手をついてどうにか立ち上がる。
「ウルナ?」
「あな、たを、釈放します」
「どうして?」
「お願い、手伝って。今はとにかく、人手が欲しいの」
 絞り出されたか細い声が、硬い床と壁で反響する。異常事態らしい。これほど取り乱した彼女を見るのは初めてのことだった。彼は前へと手を伸ばそうとして、それができずに顔を歪める。重心をずらすだけで左足に鋭い痛みが走った。仕方なく、彼はその場を動かず疑問を口にする。
「何があったんだ?」
「姫様が、姫様がさらわれたの!」
 絶叫に近かった。よく見ると彼女の顔は死人かと思う程に青白い。色をなくした唇を噛みしめて、かろうじて泣くのを堪えているように見える。今にも消えてしまいそうだった。彼は思わず、よろめきながら一歩を踏み出した。力のうまく入らない左足が、ぎしりと軋んだような錯覚がする。
「ルネテーラ姫が?」
 どうしてルネテーラがさらわれるのか。そんなことが可能なのか。虚言ではないのか。だがウルナの動揺ぶりを見ていると嘘だとは思えない。壁にもたれ掛かりながらもう一歩前へ進むと、彼は彼女へ右手を伸ばした。強ばりそうな指先がぎこちなく動き、彼女の頬の直前で止まる。
「何が、あったんだ?」
「ジブルでも、ナイダートでもない、ニーミナの人間の犯行よ。書き置きがあったの」
 明かりを持つ手が下げられたため、彼女の顔が暗くなる。俯いた頬へとかかった彼女の髪を、彼はそっと横へよけた。伏せられた右の瞼の下で、深い黒の瞳が揺れている。
「ナイダートへの技術提供に反対する人間の仕業みたい。姫様を返して欲しければ、それを止めろって」
 できる限り感情を押し殺しているようだが、それでも彼女の声は震えている。すぐさまかける言葉を、彼は見つけられなかった。
 内部の人間の犯行であれば、確かに可能かもしれない。教会内の警戒の甘さについては、彼も何度か疑問に思ったものだ。ルネテーラの居場所を知っている者なら、誘拐を企むことも可能だろう。該当する人間がどれくらいいるのかは、ゼイツにはわからないが。
「でも今さら、ナイダートを拒むことはできないわ。それは叔母様たちも、私もわかってる。そんなことをしたら、今度はナイダートを敵に回すだけだもの。でも、だからって、姫様を見殺しにはできないっ」
 彼女は首を横に振る。苦しげに吐き出された言葉は、泣きじゃくる子どもの叫びを思わせた。ウルナにとって、ルネテーラは国よりも大切な存在だ。ルネテーラを失うことを考えただけで、血の気が引く思いに違いない。彼は彼女の頬へと触れた。地下牢にいた彼よりも冷たい肌が、かすかに震えている。
「誰を信じたらいいのか、誰もわからないの」
 彼女はおもむろに、彼を真っ直ぐ見上げてきた。濡れた右の瞳を目にして、彼は固唾を呑む。
 内部の人間による犯行ということになれば、どこに共犯者が潜んでいてもおかしくはない。一枚岩であったと思ったものがそうではなかった衝撃というのは、彼には計り知れなかった。同じ宗教を信じていればそれだけでわかりあえるものでもないようだ。小さな世界だけに、一度生まれた溝はさらなる亀裂を生んでいく。
「叔母様も焦っているの。また近々ナイダートの使者が来る予定だから、迂闊には動けないし」
 彼女の眉根が寄る。彼はそっと彼女から手を離すと、きつく唇を引き結んだ。沈黙が重い。彼女はまた顔を伏せると、ゆるゆると首を横に振った。緩く結ばれた長い髪が華奢な肩の上を滑る。
「あなたを頼るのは間違っているってわかってるわ。でも今、私は手段を選んでいられないの。姫様を助けることができたら、何のお咎めもなしに釈放すると、叔母様も約束してくれた。だからお願い――」
「ああ、わかった」
 彼女の言葉を遮り、彼は首を縦に振った。弾かれたように顔を上げた彼女の瞳から、一粒涙がこぼれ落ちる。彼は眉をひそめると、それを指先で拭った。胸の奥がうずく。良心が痛む。
「できることなら何でも協力する。俺もルネテーラ姫には世話になっているし」
 彼が微笑むと、彼女は不思議そうに小首を傾げながら頷いた。見慣れている彼女よりも幾分か子どもっぽい表情だ。彼は深呼吸をすると、自らの左足へと一瞥をくれる。協力するとは言ったが、この足でどれだけのことができるのか。すると彼女も彼の足へと視線を向けた。ほんのわずかに顔が歪められたのが、薄明かりでもわかる。
「ごめんなさい、手のあいている医者はいないの」
「ああ、わかってる」
「応急処置ならできるわ。とにかく、まずは部屋に戻りましょう。情報を集めに行っているラディアスが、そろそろ帰ってくるはずなの」
 そう言いながら、彼女は右手を彼の肩へと伸ばしてきた。彼はぎこちなくも笑みを浮かべて、その手に触れる。冷たい指先へと彼の熱が移っていくようで、不思議な心地がした。
「肩を貸すわ。歩けそう?」
「たぶんな」
 華奢な彼女の体を頼るのは心苦しかったが、そうも言ってはいられない。慎重に一歩を踏み出すと、思っていたよりも足は軽く動いた。着地の際に気をつけていればどうにか進めそうだ。彼は内心ほっとする。いざという時に何もできないのは嫌だ。
「ウィスタリア様、どうか」
 小さく彼女が呟いたのを、彼は聞き逃さなかった。無心に縋る相手がいることが、今はどうしてか羨ましく感じられてならない。彼も時折祈りたくなる。手に負えないことが多すぎて、誰であれ助けてくれるのならば頼りたい気持ちだった。
 二人はそのままゆっくりと牢を出た。そしてのろのろとウルナの部屋を目指す。一度転んでしまうと怪我が悪化する恐れもあり、慎重にいかねばならなかった。そのためかなり時間を要したが、誰にも会うことなくどうにか辿り着くことはできた。相変わらず奥の棟の廊下を行き交う人の姿はなく、夕日に照らされた床には揺れる木々の陰だけが焼き付いている。
 ウルナたちの部屋は、やけに静かだった。扉を開けても、すぐさま飛び出してくるかと思っていたクロミオの姿はなかった。その中で待ち受けていたのはラディアスだけだ。開いた扉の向こうで顔を歪めていたラディアスが、黙したまま席を立つ。そして二人へと近づいてきた。
「ラディアス、もう帰っていたのね」
「ああ」
 頷いたラディアスは、ウルナとゼイツを強引に離す。いきなりのことに体勢を崩しかけたゼイツの右肩を、ラディアスは無言で掴んだ。ウルナは顔をしかめたが、文句を言うつもりはないらしい。ため息を吐くと、大きな布を羽織り直してテーブルへと向かった。長いスカートが緩やかに揺れる。ゼイツはラディアスを横目に見ながら、おそるおそる口を開いた。
「――クロミオは?」
「こんな状況だと何があるかわからないからな。俺の部屋にいる」
 ゼイツの疑問に、ラディアスは簡潔に答える。その突き放すような言い様につい反論したくなり、ゼイツは眉根を寄せた。けれどもここで怒りを露わにしても仕方ない。それよりも現状を把握しなければ。
「ラディアスの部屋なら安全なのか?」
「元々は研究のための部屋だったから、他よりはましだ。今はそれどころじゃあないんだ、くだらないことは聞かないでくれ」
 さらに問いを投げかけると、ラディアスはまたもや投げやりな口調で返答する。苛立っているのは明らかだった。余裕もなさそうだ。しかしこの状況ではそれも仕方がないだろうと、ゼイツは割り切ることにする。ラディアスとて、いつも平静ではいられないだろう。するとテーブルの上を見つめていたウルナが、不意に顔を上げたのが見えた。
「ラディアス、これ……」
 こわごわとしたウルナの声が、不穏な部屋の空気を揺らす。よく見ると、テーブルの上には何枚も紙が置かれていた。それがラディアスが集めてきたという情報だろうか。
「ああ、思ったよりも早く情報が集まった。やはりルネテーラ姫の容姿は目立つからな。西の棟に来ていた人々の一部が、それらしき姿を見かけたらしい」
 息を呑むウルナへと、ラディアスは相槌を打った。どうやら早くもルネテーラの居場所がわかったようだ。確かにルネテーラのあの髪、瞳、服装は目立つ。普段見かけないようなところでその姿を目にしたら、誰の記憶にも残るだろう。ゼイツも固唾を呑み、密かに拳を握りしめた。時間をかければかける程ゼイツたちは不利になる。できるだけ早く動かなければ。
「皆の証言から推測するに、奴らが潜んでいるのは山だ」
 ゼイツの肩から手を離して、ラディアスはテーブルへと向かう。頷いたウルナは、テーブルの上から薄汚れた紙を一枚手に取った。彼女へと近づいたラディアスは紙の一点を指さす。どうやら地図だったようだが、ゼイツの位置からではよく見えない。近寄ろうか躊躇ったゼイツは、ひとまずここで成り行きを見守ることにした。部屋に来るまでで、足に大分負担をかけている。
「ラディアス、この山ってもしかして」
「ああ、そうだ」
 顔を上げたウルナは右目を見開いた。ラディアスは神妙な顔で首を縦に振り、それからゼイツへと一瞥をくれる。ゼイツはあえて何も言わなかった。口を挟まず、ラディアスとウルナの表情の変化に意識を向ける。ラディアスは軽く眉をひそめると、またウルナへと目を向けた。その間も、ウルナはじっとラディアスを見上げている。
「宇宙船が本来あった場所だ。あれが埋まっていたと思われる穴の側に、幾つか小屋がある。そのうちの一つじゃないかと踏んでいる」
「偶然、なの?」
「わからない。だがあの近くに小屋があることなら、調査に関係した者なら誰でも知っている。その他の当てが簡単に見つかるとも思えないしな。ずいぶん前から計画していたのなら話は別だが……」
 言葉尻を濁したラディアスは、顔を伏せて首を横に振った。頭上で一本にまとめられた髪が、生き物の尾のように揺れる。仲間を、知り合いを疑わねばならぬ気持ちはいかほどのものか。ジブルの侵略行為のことを思いだし、ゼイツはぐっと息を詰めた。
 だがこのままでは話においていかれる。黙っていても説明してくれる様子がない。ゼイツは沈黙を見計らって口を開いた。
「その宇宙船ってのは、あの戦艦のことなのか?」
 宇宙船と聞いて脳裏に浮かんだのは、ウルナが動かしたあの白い物体だけだった。今、まともに動かせる宇宙船の類はこの星には残っていない。最後のそれが宇宙へ飛び立ったのは、数百年前のことだと言われている。地上に残されている宇宙船と呼ばれる物は、もう岩も同然の物体のみだ。
「お前の言うあの戦艦とはどの戦艦だ?」
「どの戦艦って……」
「そうよ、あの穴にあった宇宙船よ。私たちは戦艦と呼んでいるわ」
 聞き返してきたラディアスの代わりに、ウルナが端的に答えた。ラディアスは眉根を寄せてウルナを横目で見る。しかし、たしなめたりはしなかった。ただ小さく嘆息して首の後ろを掻く。ゼイツに情報を漏らすことを、ラディアスはよしとしていないようだ。だがウルナの様子を見て諦めたらしく、渋々といった声音で話し始める。
「その存在が確認されたのが数年前。地震で崩れた崖から突然現れたらしい。最初に見つけたのは、運悪くも他国からの違法入国者――盗掘者だった」
「でもその情報が他国に漏れることはなかった。何故ならある日突然、その戦艦は消えたから」
 ラディアスについでウルナがそう説明する。冗談のようにしか聞こえないが、二人は真顔だった。ゼイツは固唾を呑んで続きを待つ。薄緑の光を纏って動いた白い戦艦の姿を、ありありを思い浮かべることができた。今まで見たどの遺産とも異質な物体だ。あの戦艦からは、時間の流れというものを感じない。
「後に捕らえた盗掘者の話では、彼の目の前で戦艦は消えたらしい。戦艦には一人、子どもが忍び込んでいたそうだ」
 ラディアスが瞳を細める。どんな手段を使って盗掘者を捕らえたのか、ゼイツは尋ねなかった。動揺のために盗掘者はニーミナを逃げ出そうともしなかったのか? 本当に誰にも話さなかったのか? いや、「宇宙船が突然目の前で消えた」などと聞いたとしても、誰も信じなかったことは容易に想像できる。ほら話もいいところだろう。あの姿を見ていなければ、ゼイツも信じる気になどなれなかった。
「消えた戦艦は、数日も経たないうちにまた姿を現したの。それも教会の裏側……あの穴の中、土の中に」
「空間転移をした、としか思えない現れ方だった。あの大穴自体は以前からあったんだが、その一部がある日突然崩れてきたため、俺たちは異変に気がついた」
 ゼイツたちが掘り進めた横穴、その奥に隠れていた戦艦。まだ詳細はわからないものの、やはりあれはとんでもない物だったということが飲み込めてくる。どうして再び土に埋もれていたのかは謎だが、あの戦艦のことだからまた何かあったのだろう。ゼイツは喉を鳴らして、続く言葉を待つ。
「崩れ落ちた土の中から突然顔を出したのが、あの戦艦だったの。中には一人の男の子が乗っていたわ。気を失って倒れていた」
「盗掘者の話と合致する子どもだ。しかし彼は目覚めた時、数日間の記憶を失っていた。盗掘者のことも覚えていなかった」
 徐々に明らかとなる過去。それがニーミナにとって一つの転機となっただろうということは、ゼイツにも想像できた。そんな妙な事件が動揺を生まない方がおかしい。
 ゼイツはぐっと右足に力を込めた。神妙な語り口の二人は、言葉を選んでいるのか時折瞳を伏せている。まだ何か決定的なことが隠されているようだった。しかしこれ以上、何があるというのか。
「結局、その後もその子は何も思い出さなかったの。ただ調査を進めていくと、どんどん不可思議なことがわかってきた。子どもの靴に付着していた土の一部は、この星のものじゃあなかったの」
「あの戦艦は、一度は宇宙へ出た。しかも何の燃料もなく。そうとしか考えられなかった。あれは古代の宇宙船だ。第二期、第三期のものじゃあない」
 お伽噺の時代の戦艦。思わず口を開けたゼイツは、そのまま息を止めそうになった。にわかには信じがたい。しかし納得できるものでもある。古代からの遺産ならば、見知らぬ金属でできていたとしても不思議はなかった。時の流れとは切り離されていたとしても腑に落ちる。
「戦艦が最初に埋もれていた――つまり盗掘者が発見した場所が、この山なの。だからある程度の関係者ならみんな知っている」
 手にしていた地図を掲げて、ウルナはその一点を指さす。これで最初の話へと戻った。ようやく二人の会話に追いついたゼイツは、慎重に一歩前へと踏み出す。そして、今にも線が見えなくなりそうな地図へと目を凝らした。彼女が指しているのは、教会よりもやや南に位置している小さな山だ。ジブルと行き来している最中に、彼も横目にはしていたはずだった。道からはやや離れているが。
「姫様はここにいるのね」
 ウルナの声が硬くなる。無事であればいいと、ゼイツも願わずにはいられなかった。ルネテーラに何かあればウルナは狂ってしまうだろう。何としてでも助けなければ。
「ああ」
 そう思っているのはゼイツだけではないようで、ラディアスも視線を下げて考え込んでいる。どうすればルネテーラを無事に取り返すことができるのか、ゼイツも頭を捻った。山について何も知らないのが辛い。どの程度の大きさなのかもわからない。
「この山へは一本道だ。必ず見張られている」
「裏からは回れないのね」
「そうだ。だが獣道ならあるだろう。それは利用できるかもしれない。しかし教会に残っている人間でも、どこまで信用できるかはわからない。最少人数で動かなければな」
 空気がますます重くなる。ラディアスの眉間の皺が、事態の深刻さを物語っているようだった。ゼイツもこの足なので、ろくに協力はできそうにない。服の下に隠したままの拳銃や短剣はあるが、人質がある以上迂闊には使えない。ゼイツは奥歯を噛んだ。これでは、何のためにここにきたのか……。
「道がないなら、作るしかないわね」
 小さく、ウルナがため息を吐いた。はっとして顔を上げたラディアスが、彼女へと目を向ける。ゼイツは息を呑んだ。何かを覚悟したのか、ウルナの右の瞳には異様な光が宿っている。
「私に一つ、考えがあるの。ラディアス、信用できそうな人間はここに何人いるの?」
「動ける者と考えたら、残りは十数人ってところだろう。カーパル様の奇跡に救われた人たちだ」
「それだけいればきっと大丈夫よ。あちらも、おそらくそんなに数はいないわ。急な話だもの」
 力強く頷いたウルナを横目に、ゼイツはラディアスと顔を見合わせた。何故だか胸騒ぎがしてならなかった。不安と希望が渦巻いて、不可思議な戦慄を奏でている。ウルナは手にしていた地図をテーブルに載せると、薄く微笑んだ。
「大丈夫、姫様は誰にも傷つけさせない。私が守るわ」
 独りごちるような決意の言葉は、ますますゼイツの胸の内をかき乱した。彼女が次に何を告げるのか、待つのが怖かった。

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